参加作品一覧
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「これは私の友達が本当に遭った話なんですが……」
そう、彼女は話し始めた。
放課後の部室。私は備品を使って紅茶を入れていた。
彼女は私の一つ年下の、都市伝説が大好きという一風変わった女子校生だった。
私の他にもう一人、彼女の話には興味がない者がいる。彼もまた後輩なのだが、寺生まれの慎ましやかな性格は誰からも田中さんと呼ばれてしまう。
そんな二人と帰宅する途中、私たちは事件に触れてしまう。その前兆はあった。
そう、私はストーカーの被害に遭っていたのだ。
女子校生 恋愛
ふとした瞬間、全ての価値観が揺らぐ……。
幸せな日常……、なんの不満もない生活……。
それらの全ては偽りだったのか?
幻想であったのか?
あるいはそうなのであろう。
それでも人は生きてゆかなければならない
それを知ってしまったとき、本当の恐怖が訪れる。
科学は日々発展している。21世紀初頭、すべての人類は科学の恩恵を受けて生活しているといっても過言ではない。
しかし…… だからとて……
科学は万能ではないのだ。
科学の奥底に潜む悪夢。
それを知ってしまったとき、本当の恐怖が訪れる。
R15
ここに綴られるのは三つの怪奇な物語。
短編三本で一つの作品にさせていただきます。
~手形~
就職活動のため上京した私は、とあるアパートに部屋を借りた。これから始まる新生活に胸を躍らせる私だったが……。
~影~
高二の夏。思い出作りのため、俺は親友二人ととある海辺へとキャンプにやってきた。そして夜、波打ち際に佇む黒い影を俺は見てしまう。
~夢~
時折、私は不思議な夢を見る。見たこともない街の中を歩き、そして火事で焼け崩れた後のような廃墟へとたどり着くのだ。その中で私は小さな女の子と遊んでいる。笑わないで聞いてほしい。私はその女の子に恋をしていた。だから今日も私はあの廃墟へと赴くのだ。あの女の子に会うために。
夢のなか、何かから逃げていた。何から逃げているのか。何処に逃げようとしているのか解らない。逃げようともがく俺を嘲笑うかのように「奴」はじわりじわりと追い詰めてくる。何時の間にか「奴」は俺の日常までもを侵食しはじめていた。崩れていく平穏な生活。夢の中でも現実でも現れる「奴」の影。その正体を知るとき果たして俺は正気で居られるのか。突如として始まった「奴」と「俺」との鬼ごっこ。最後に残るのは「奴」か「俺」かどちらなのだろう。
R15 残酷な描写あり
もう、かなり前に起きた事なんだけど、聞いてくれるかい。俺の話しを。
事実は小説より奇なりって言うだろ。
うん。不思議な話なんだよね。でも、実際に起きた事って、それこそ小説じゃないからさ、「落ち」って無いから、そんなに怖くないと思うんだ。だから、大丈夫さ。臆病な君でも。
前にも、一度、この話しを喋った事があったんだ。喋ったって言うより、喋りかけたって感じ。
全然、最後まで話せなかったんだよね。あれって、何だったんだろうって、ずっと気になってた。なんで、あんな事が起きたんだろうって。
そうなんだ。変な事が起きて、途中までしか喋れなかったんだよね。
ずっと、誰かに聞いて欲しかったんだけど、随分と、年数も過ぎて、今日まで来ちゃったんだ。
聞いて、くれるかい?
『ねぇ、〝夕焼け鏡〟って知ってる?』
最近巷で流行っている噂話がある。
怪談〝夕焼け鏡〟だ。
今までと同じ様に、何処かの誰かが戯れで作った物だろうと、俺は思っていた。
だが、どうにも様子がおかしい。
噂話が広まるのと同時期に、突如として行方不明者が現れその数を増やしていた。
彼等の共通点は、全員が失踪する前日に〝夕焼け鏡〟を行っていたと言う事。
そしてこの噂話に興味を持った幼馴染が、〝夕焼け鏡〟の実行を提案する――――。
〝夕焼け鏡〟は人を永遠の世界に連れていく鏡。
貴方は帰って来られるでしょうか――――。
怪談 ダーク 短編 シリアス 現代 バッドエンド
「最近物忘れが酷くて――」
怯えた様子の男は、そう白衣の男に告げた。年頃は30もいっていない。細身ではないが、その表情は暗く、健康的とも言えないものだ。
「まるでもう1人私がいるようで――」
そう告げ男は、薬を受け取った。
「薬は忘れず毎日飲んでくださいね」と渡された薬を。果たして男の身には何が起こっているのか。
ある男の奇妙な共同生活。1人だけど1人じゃない。コインの裏表のような関係。でも果たして表はどちらなのか?
そして【男】の目的は何なのか――。答えのない物語。
二重人格 記憶喪失? 現代(モダン)
俺はすでに、うっかり足を滑らしちまったのか。
いや、そもそも最初の出会いから、全てが始まっていたのかもしれない。あの女と出会ったときから。
「わたし、猫に呪われているんです」
蒸し暑い、真夜中の駅のホームで、終電を待ちながら、黒髪と、白い肌のコントラストが美しい、若い女がそう言った。
四十過ぎの自称フツメンの「俺」が、とある飲み屋で、若い女と知り合うところから話はスタート。
タイトルは「呪い」。まんまです。
R15 猫 呪い 終電 アラフォー男子
怪談。それはどの学校にもついて回るものだ。そして、それは大学生活を送る青年、岡本義介が通っていた高校も同じ。
義介は、その学校で行われている勉強合宿の手伝いというアルバイトをしている。
あるとき、同窓生の浜野卓郎から、勉強合宿を行っている寄宿舎に現れる子供の話を耳にする。いわく、寄宿舎の窓から、一人の子供がこちらを見ているのだと言う。そして、目があうとその子供はにやりと笑ってくるのだという。
怪談の類を、現役時代に聞いていなかった義介はそれを半分聞き流し、用心だけはすると告げた。
そして、次のアルバイトの時。義介は、噂の子供から恐ろしい悪戯を受ける。
死にたくない死にたくない
卓也、明美、奏太…。 三人の友人を見失い、私は混乱していた。
もしかしたら、みんなはもう捕まってしまっている かもしれない。
ガタン
一心不乱に走る私の背後でドラム缶が大きな音をた てて倒れた。 私は小さい悲鳴をもらす。 やばい、奴に気づかれる! 躓きながらも私は必死に走った。
逃げ切るために。
「……タスケテ」
消え入りそうなほど小さな声が聞こえた。 聞き覚えのある声だった。
「……明美?」
「タスケテ…コッチニキテ」
声がする方向を見ると大きな鉄の扉があった。 私は嬉しかった。 こんなところで一人なんて嫌だったから、不安で仕 方なかったから。 明美の声を聞いたことで気が緩んだのだろう。 警戒心が薄れていた。 あのとき扉を開けなかったら結末は変わっていたの かもしれない。
「大丈夫、今いくよ」
重く冷たい大きな扉を開ける。
そして私は緑色に染まった。