参加作品一覧
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2012年投稿の「死神弥平」第二話。
片平祐一の人身事故を目撃したカップルに弥平が「死」の矛先を向ける。
近藤優子は事故後にLINEでこの目撃情報を知り合いに流し、スマホに夢中になっていた。喫茶店のテーブルを挟んで座る彼氏、須藤琢己はいたたまれず優子を残して帰宅してしまう。家に帰ってベッドで眠りについた琢己は優子が他の男と一緒に見ようとしていた映画を既に見て、喫茶店ではその男とずっとメールをしていたという夢を見た。その夜、優子から電話を受け取るが、琢己は会話の中で優子のほかに男の声がしている事に気付く。優子はそばに誰もいない、そんな声など聞こえないと言うがその声は次第に受話器に近づき、終いには琢己に「お前は騙されている」と伝えた。琢己は優子の住むワンルームマンションに向かうことにしたが・・・。
残酷な描写あり
「双眸」
いつもは車で通う道。まだ自宅までは遠い。両側には青々とした田圃と、その合間に民家が点在している。既に時間は遅く、人通りは絶えていた。
飲み過ぎ、覚束無い足取りで歩いていた男は、気分が悪くなり蹲った。そこで以前見た光る点を思い出す。
「――あれは何だったっけか」
心に引っかかるものを抱えた男は、思い出せないもどかしさにイライラしながら家路へと向かった。
気付くと煩かった物音がぴたりと止んでいた。自分の近くに何かがある。そんな気配に追われ、男の気持ちは恐怖へ傾く。
――そして、光る点の正体を思い出すのであった。
残酷な描写あり
夕暮れ時、人気の減った校舎の中。どこからかピチャ……ピチャっと水滴が落ちる音が響く。
ソレが何時から始まったのか、私には分からない。
―――いいえ、むしろ誰にも分からないと思う。
滴り落ちる水音は、古くなった水道の、緩んだ蛇口が奏でる悲愴曲。
滴り落ちる水音は、雨上がり、無造作に掛けられたまま、忘れさられたモノが奏でる哀愁の調べ。
滴り落ちる水音は、未来に怯えて目を腫らし、今を苦しむ、過去を嘆くモノの慟哭。
滴り落ちる水音は、殺人者の持つ、血塗られた刃物を伝え落ちる怨嗟の声。
滴り落ちる水音は、闇に流され、涙と涎を垂れ流す、飢えた、人に在らざるモノの声なき声。
滴り落ちる水音は……滴り落ちる水音は……滴り落ちる水音は……。
―――足元から聞こえた。
R15 ノンフィクション 現代(モダン) 暗喩あり
この学校の理科準備室の人体模型は動くらしい
そんな噂を聞いたのは夏休みを目前に控えたある日の事だった
古今東西、どこでも聞くようなバカな噂だ
人体模型は人間になりたくて、鬼ごっこをするらしい
夜の校舎、人体模型に見つかり、触れられると、体が人体模型になる
人体模型は人間になる
人体模型になった人間が、人間に戻る方法は、他の人間に触れる事
俺はあいつらに誘われて学校に忍び込んだ
5人で何でも無い噂を確認しに忍び込んで理科準備室へ辿り着いた
そこには、人体模型が無かった
刹那、足音が聞こえる
一目散に俺たちは、夜の校舎の足音から逃げる
逃げ切れなかった友を見捨て、逃げきった
だが、すぐに過ちに気づく
俺たちは、飛んでもないことを引き起こしてしまったのだと
人体模型 鬼ごっこ 怖くない イエスフィクション
記憶の中の出来事と過去実際に起きた出来事は、違うものに違いない。
僕がそう考えているのは、二十歳の誕生日を迎えてすぐの、蒸し暑い八月の夜。部屋のベランダから夜空を眺め、七夕に亡くした祖父を偲びながら、ふと死後の世界に思いを馳せたのがきっかけだ。……った?
幽霊って、実在するのだろうか。しないのだろうか。
「幽霊、いると思いますか?」そう質問されたら僕は、「思わない」と答える。なぜなら僕は、二十年も生きているというのに、幽霊を見たことがないからだ。肝試しで深夜の墓場を巡ったり、心霊スポットに足を踏み入れたりしたことがあるけれど、一度たりとも幽霊が僕の前に現れることはなかった。
でも僕は今、考えている。幽霊って実在するのだろうか。しないのだろうか。
お人形
少女はただ感情のままにその言葉を口にした。本当に軽い気持ちからだった。それがどのような結果をもたらすか。そもそも、その言葉を口にしたからといって、なにかが起こるなど想像さえしなかった。
ごく普通の家庭で育った、ごく普通の少女が、その言葉を呟くたびに、どこかで誰かが死ぬ。その呪いとも言うべき現象は、徐々に身近な人に降りかかっていく。そして、その原因は、おそらく自分なのだ。そのとき、少女は何を思うのか。
貴方と出会った夏祭り。
明治の終わりから、昭和初期。妖怪と怪異が、信じられていた時代。狸。狐に化かされたとか、そんな話を、貴方は知ってますか?、今では信じられない事を、三代に渡り。不思議な体験をした、一族がいた、実話を。元にした物語。雪女の成り立ちと悲しい運命。山彦(やまびこ)と憲兵の捕り物。お祭りで起こる不思議な出来事。聞いたことはあるだろうか?、祭りには、人間意外の怪異や先祖に、出会うことがあると?。昔は家に憑いていた、神を祭る祭壇があった。祠を作り。祭る意味と、家に神が憑く意味を知る。そして別れ………。背徳の魔王が贈る。ほろりと寒くなるホラー。
怪異 怪談 雪女 神隠し 夏祭り 夏の日に
学校の怪談 2013 アンリミテッドサマーバケーションインテラー
おれは夏風太刀。中学2年。
今回おれ達は、学校の七不思議に挑むことになった。
それは予想通りの冒険だった・・・
「学校の七不思議!ボクらで暴くんだ!一躍学校のヒーローだよ!」
「ヒーローはともかく。七不思議には興味がある」
「誰だ。大人しくしてるとか、言ったやつ」
「そんな者は居ない」
「ダンスが得意?私も!」
キャベツに塩。
圧倒的恐怖!大迫力の大冒険!学校の怪談!
「学校の怪談 2013 アンリミテッドサマーバケーションインテラー」
いよいよ開幕!乞うご期待!
しばし待て!
小説情報 短編 怖い:0 ID:350159にわとり・イエーガー
──六百年近く経つ今も謎に包まれているイングランドに伝わるガーフィールド伝説の大本とも言えるガーフィールド辺境伯邸の怪事。この前夜、邸内に於いてガーフィールド辺境伯の私室から唸り声とも付かぬ魂切るかのような奇怪な叫び声が聞こえた、と言う使用人の証言が記録として残っている。また、その日を境に一人の使用人の行方がわからなくなっていると言う記述もあるが、これも市井の噂話の域を出ない事から信憑性に関しては疑わしいと思われる──
「中世期イングランド王国の習俗から見るガーフィールド伝説」(2002、弥栄正秀著)
時は百年戦争、フランスとイングランドが骨肉相食む泥沼の戦争をしていた頃、歴史から隠された一幕があった。
イングランド貴族ガーフィールド辺境伯家──譜代の貴族ならぬ成り上がりではあったものの戦功著しく、武名により一時期は辺境伯として叛乱分子渦巻くスコットランドを統治した偉大な貴族家であった。
だが、その名誉ある家はある夜を境に忽然と歴史から姿を消し、一部の地域で曰く付きの胡散臭い伝承として語られるに留まる事となる。
惨劇の館、呪われし一族──伝承でのみ語られるガーフィールド辺境伯家とは何だったのか。
残酷な描写あり 伝奇 ミステリー スプラッタ 怪談 百年戦争 呪い バッドエンド 中世
『シミュラクラ現象』というものをご存知だろうか。
シミュラクラ現象とは、「逆三角形状に三つの点が配置されていると、それが人の顔に見えてしまう」という現象のことである。
わかりやすく言えば ∵ これが顔に見えてしまうということだ。
人は他人や動物と出会った時、敵味方の区別をし、相手の動向を探るために、本能的に相手の目を見る。また目の下には口があり、両目と口で逆三角形に顔を形成している。つまり両目に相当する点二つと、口に相当する点一つがあれば、人の脳は本能的にそれを『生物の顔』と判断し、警戒してしまうのである。
このシミュラクラ現象で、多くの心霊現象は説明できる。
代表的なものはやはり『心霊写真』だろう。「写真に見知らぬ女の顔が映りこんでしまったー」とか、「無数の顔が映りこんでしまったー」とか、まあ言わずともわかるだろう。察せ。
今更だが、俺は心霊現象をこれっぽっちも信じていない。
あんなものは作り話か、気のせいだ。
でもまあ、夏の与太話としてはそれなりに面白いんじゃないのかな、という程度の認識である。
ところで……全く関係ないんだが。
俺の部屋の壁、最近染みが増えてきている気がする。
……逆三角形の。
現代 大学生 男女 心霊 不可思議 狂気